68歳女性.多関節炎,発熱,筋痛,四肢近位・頸部体幹・上肢遠位の筋力低下を認めた.高CK血症より筋炎が疑われ,間質性肺炎を伴った.検査会社に依頼可能なELISA法・immunoblot法では抗アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl transfer RNA synthetase: ARS)抗体は陰性だったが,筋病理でのperifascicular necrosisとperimysial pathologyより抗合成酵素症候群を強く疑い,RNA免疫沈降法で再測定し,抗EJ抗体が陽性であり診断に至った.抗Ku抗体,抗U1-RNP抗体,抗Ro-52抗体も共陽性だった.検査会社に依頼可能な検査で陰性であっても,筋病理所見などから本疾患を疑った際にはRNA免疫沈降法での抗体測定が必要である.