臨床神経学
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後脊髄動脈領域の脊髄梗塞に脊髄MRI拡散強調画像が有用であった2例
植村 順一宮里 紗季山下 眞史八木田 佳樹井上 剛
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002011

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抄録

症例1は74歳男性.右足の痺れと歩行時のふらつきを主訴に受診し,右下肢に筋力低下とデルマトームで右第8胸髄の神経支配領域以下に振動覚低下を認めた.脊髄MRI拡散強調画像(diffusion weighted image,以下DWIと略記)で右第8胸髄の背部に高信号があり,後脊髄動脈(posterior spinal artery,以下PSAと略記)領域の胸髄梗塞と診断した.症例2は70歳女性.左手の痺れを主訴に受診し,左半身の異常感覚とロンベルグ徴候陽性を認めた.脊髄MRI DWIで第2頸髄の左背部に高信号があり,PSA領域の頸髄梗塞と診断した.PSA領域の脊髄梗塞は稀であり,急性期診断は容易ではない.その診断には,十分な神経診察と補助診断として脊髄MRI拡散強調画像が有用である.

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