論文ID: cn-002014
症例は72歳女性.歩行時のふらつきや筋強剛,姿勢保持障害が出現し,7年間パーキンソン病の診断で治療していた.繰り返す酸素化低下と意識障害を認め救急搬送された.入院後も喘鳴を伴う呼吸不全を繰り返し,呼吸不全を伴うパーキンソニズムに対して,IgLON5抗体を測定したところ陽性と判明し,IgLON5抗体関連疾患と診断した.呼吸筋の筋力低下に伴い,換気障害を呈するIgLON5抗体関連疾患の症例は散見されるが,本症例は人工呼吸器管理でも一回換気量の改善が得られず,ステロイドパルス療法で換気量の改善が得られたため,呼吸不全の原因は喉頭痙攣と推察した.