臨床神経学
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アデノウイルス3型感染に伴い可逆性脳梁膨大部病変と脳脊髄液IL-6高値を認めた成人の1例
多田 康剛彼谷 裕康島 啓介
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002020

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抄録

既往にバーキットリンパ腫のため骨髄移植後でC型肝炎のある42歳男性.発熱,咽頭痛があり,胸部CTで肺炎を認め,入院した.意識変容があり,脳脊髄液IL-6高値と頭部MRIで可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症(clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion,以下MERSと略記)を認めた.ステロイドパルス投与を行い,第14病日に退院した.ペア血清の中和試験でアデノウイルス3型抗体価の上昇がありアデノウイルス肺炎と診断した.アデノウイルス3型感染後の脳炎または脳症は病態にMERSの関与が示唆された.

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