日本におけるパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)の経済的負担を定量的に検討するため,文献調査を行い,要介護度別の公的介護給付費を推計した.患者会アンケートに基づくホーン・ヤール(Hoehn and Yahr,以下HYと略記)重症度別の要介護度分布及び介護給付費等実態統計より推計した一年あたりの公的介護給付費の平均は,HY1から5においてそれぞれ333,433円,527,194円,982,578円,2,023,735円,3,080,743円であった.日本のPD患者数を20万人と仮定すると,直接医療費は約3,800億円,公的介護給付費は約2,700億円,これらの合計は約6,500億円と推計され,PDは介護負担の大きな疾患であると示唆された.