臨床神経学
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脊柱起立筋梗塞の合併により早期に診断しえた長大な脊髄梗塞の1例
加藤 拓真今井 啓輔山田 丈弘長 正訓崔 聡猪奥 徹也
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002029

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抄録

症例は53歳代男性.腰痛と両下肢脱力にて搬入.神経学的に両下肢麻痺と第10胸髄レベル以下の全感覚低下,膀胱直腸障害がみられた.脊髄MRIの拡散強調画像およびT2強調画像にて第10胸椎レベルから脊髄円錐に髄内高信号域をみとめ,第10病日には第2胸椎レベルに達する長大な髄内病変に拡大した.第3病日の大動脈造影CTにて血管病変はなかったが,第2腰椎レベルの脊柱起立筋梗塞の併存が確認された.脊椎血管解剖から脊髄病変と同筋の血管支配は同一血管で説明可能であったことから脊髄病変の病態は脊髄梗塞であると早期に診断しえた.急性脊髄症例では造影CTでの傍脊柱筋梗塞の併存が脊髄梗塞の診断の一助となる.

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