臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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脳塞栓症連続症例における成因検索と急性期梗塞病巣形成に関する考察
山本 康正 永金 義成
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002054

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抄録

脳梗塞連続2,915例から脳塞栓は34.7%に認められ,塞栓症全体の88.3%で塞栓源を同定した.持続性心房細動(continuous atrial fibrillation: cAf)が塞栓症の約半数を占め,入院時原因不明で入院中精査を行った366例中,発作性心房細動(paroxysmal Af,以下pAfと略記)が45.9%,奇異性塞栓(paradoxical embolism,以下PxEと略記)が13.6%,大動脈原性塞栓(aorto-embolism,以下AoEと略記)が12.5%であった.内頸動脈,中大脳動脈M1,M2など大径の血管閉塞はAf関連が多く,線条体内包梗塞はPxE,散在性多発性小梗塞は,AoE次いでPxEで多かった.後方循環系では,上小脳動脈はpAfが,後下小脳動脈はPxEが多い傾向にあった.栓子の構成成分と血管走行・分枝など流体力学が梗塞病巣を決めると考えられた.

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