臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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亜急性の歩行障害を契機に,抗セントロメア抗体陽性のシェーグレン症候群による髄膜炎と診断した1例
坪山 耀子 光武 明彦坂井 悠人岩田 信恵
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002058

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抄録

症例は79歳女性.抗セントロメア抗体(anticentromere antibody,以下ACAと略記)陽性,抗SS-A抗体陰性シェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome,以下SjSと略記)の既往がある.亜急性の歩行障害で入院し,歩行障害,前頭葉機能障害を認めた.血液検査ではACA陽性,抗SS-A抗体陰性で,脳脊髄液検査では蛋白上昇と単核球優位の細胞数増多を認めた.頭部MRIでは右前頭部外側にFLAIR像及び造影T1強調像での高信号域を,脳血流SPECTでは前頭部の集積低下を認めた.ACA単独陽性SjS関連髄膜炎と診断し,ステロイド療法が有効だった.ACA単独陽性SjS関連髄膜炎は現在まで報告がなく,無菌性髄膜炎の鑑別として考慮すべきである.

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