論文ID: cn-002067
40歳代から筋力低下が徐々に進行した姉弟例を報告する.弟は筋電図所見から脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)が疑われたが,SMN1遺伝子欠失は確認されなかった.姉弟の全エクソーム解析によりfilamin C(FLNC)遺伝子アクチン結合ドメイン(actin-binding domain: ABD)のc.577G>A (p.Ala193Thr)ヘテロ接合性ノンシノニマス変異が同定された.姉弟の筋力低下は下肢近位部から始まり,遠位部,体幹,上肢へと進行した.筋MRIでは大腿直筋と薄筋の温存に対し,大腿内側部や大腿屈筋群,腓腹筋やヒラメ筋の障害が著明で,前脛骨筋は保たれていた.本変異によるミオパチーに特有の筋障害分布が示唆された.