論文ID: cn-002073
症例は17歳女性.強直性痙攣が出現し,頭部単純造影MRIで右側頭葉,左前頭葉にT2強調画像高信号域と,硬膜に造影効果を伴う結節性病変を認めた.単核球優位の脳脊髄液細胞増多と脳脊髄液fluorescent treponemal antibody-absorption陽性所見から神経梅毒に伴う中枢神経ゴム腫と診断し,抗生剤加療を開始した.治療後には病変部位は縮小し,症状や画像上の再発なく経過した.中枢神経ゴム腫は通常,感染から1年以上経過した第3期梅毒で生じるが,本例は感染後1年以内に発症したと推測された.若年女性においても中枢神経ゴム腫を鑑別に挙げ,速やかに適切な検査,治療を行う必要がある.