臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
保存的治療で緩解した細菌性髄内脊髄膿瘍・馬尾神経炎の1例
梅原 藤雄
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002099

詳細
抄録

症例は70歳代女性,2021年3月上旬から腰痛,左下肢痛が出現,3月末に尿閉,両下肢麻痺が出現し入院した.MRIで脊髄円錐部の腫脹,リング状造影効果・馬尾神経の造影効果を認めた.脊髄円錐部はDWIで多房状高信号を示した.脳脊髄液は,細胞271/mm3(多形核球72%),蛋白356 ‍mg/dl,糖15 ‍mg/dlであった.細菌性髄内脊髄膿瘍・馬尾神経炎を疑い,セフトリアキソン・バンコマイシン点滴静注,メトロニダゾール内服を開始した.以後,神経症状,検査所見は徐々に改善した.脊髄髄内膿瘍は,髄内病変を示す脊髄疾患の鑑別診断上,重要な疾患であり,的確な診断・治療が予後を大きく左右する.

著者関連情報
© 2025 日本神経学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top