臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
繰り返しのランダム皮膚生検で診断に至らなかった血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
藤田 宗吾大山 彦光 山口 浩石澤 圭介井上 快児山元 敏正
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002107

詳細
抄録

66歳男性.脊髄病変を契機に発症し,2回のランダム皮膚生検(random skin biopsies,以下RSBと略記)で診断に至らず,病理解剖で血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma,以下IVLBCLと略記)と判明した診断困難症例を報告する.本症例は先行したステロイド使用があり,皮膚生検の診断感度低下に寄与した可能性がある.髄液IL-10の上昇から中枢神経のIVLBCLが強く疑われるが脳・脊髄生検は侵襲度が高いため,RSBで診断に至らない場合はpositron emission tomography(PET)を行い,中枢神経の代替となる生検部位を検討する必要がある可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2025 日本神経学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top