論文ID: cn-002107
66歳男性.脊髄病変を契機に発症し,2回のランダム皮膚生検(random skin biopsies,以下RSBと略記)で診断に至らず,病理解剖で血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma,以下IVLBCLと略記)と判明した診断困難症例を報告する.本症例は先行したステロイド使用があり,皮膚生検の診断感度低下に寄与した可能性がある.髄液IL-10の上昇から中枢神経のIVLBCLが強く疑われるが脳・脊髄生検は侵襲度が高いため,RSBで診断に至らない場合はpositron emission tomography(PET)を行い,中枢神経の代替となる生検部位を検討する必要がある可能性が示唆された.