CADASILはNOTCH3を原因遺伝子とする遺伝性脳小血管病である.京都府立医科大学で1999年より2024年3月の間に遺伝学的検査を行った908例を対象とし,地域や診療科に着目して検査結果を解析した.検査依頼数・陽性数は検査施設からの地理的距離と地域人口の影響を受けていた.頻度の高い変異は殆どの地域で認められたが,西日本よりも東日本の方が,多様性が高かった.検査の殆どは脳神経内科など内科系からの依頼で,脳神経外科からの依頼は全国で1.9%と依頼診療科に偏りを認めた.脳卒中診療科全体への本疾患の臨床像と検査の周知を進めることにより,未診断症例の減少が期待できる.