論文ID: cn-002169
症例は18歳女性である.急性発症の意識障害と排尿障害で受診し,頭部MRIで脳幹周囲のFLAIR高信号を認めた.卵巣奇形腫の合併から傍腫瘍性脳炎を疑い,入院当日に卵巣腫瘍摘出術を施行するとともに,ステロイドパルス療法と免疫グロブリン大量療法を開始し,臨床症状・画像所見ともに軽快した.検索範囲で自己抗体は全て陰性であった.抗N-methyl-D-asparate(NMDA)受容体抗体陽性例以外では,卵巣奇形腫に随伴する自己免疫性脳炎における腫瘍摘出術の時期について検討された報告はないが,抗NMDA受容体抗体陰性例においても抗原除去のため早期の腫瘍摘出術を行うことが望ましいと考えられた.