論文ID: cn-002209
症例は89歳,男性.慢性炎症性脱髄性多発神経根炎と診断されプレドニゾロン療法を行っていたが,4日の経過で意識障害が出現した.頭部MRIではFLAIRで左側頭葉内側に高信号を認め,Film Array®髄膜炎・脳炎パネルでヒトヘルペスウイルス6型(human herpesvirus 6,以下HHV6と略記)が陽性だった.髄液中・血漿中のHHV6A DNAが増加していたため,HHV6A脳炎と診断した.DNA定量の増加の程度が小さく,経過も緩徐であることから,chromosomally integrated HHV6(ciHHV6)の可能性は低いと考えた.プレドニゾロンは漸減終了し,ホスカルネットを開始し,意識障害は改善した.HHV6はAとBの亜型がありHHV6Aについては不明な点が多い.不顕性感染が多いとされるが,本症例のように脳炎を発症することもあり,注意を要する.