日本衣服学会誌
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家庭用柔軟剤と糊剤で処理した綿布の吸水性および剛軟性の処理濃度依存性
樋口 才二鈴木 淳
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1997 年 40 巻 2 号 p. 85-96

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抄録

 家庭用柔軟剤と糊剤で綿布を5分間処理し, その吸水高さおよび剛軟度を測定することにより, 柔軟剤処理による吸水性の低下を防ぐ処理濃度を検討した。柔軟剤処理後の吸水高さは, 柔軟剤濃度が0.44ml/lで最小値を示した。糊剤処理後の吸水高さは, 糊剤濃度が4 ml/lで最小値, 40ml/lで最大値を示した。柔軟剤濃度を一定にし糊剤濃度を増加した混合液で処理後の吸水高さは, 糊剤濃度が8 ml/lで最大値を示し, 剛軟度は増加した。糊剤濃度を一定にし柔軟剤濃度を増加した混合液で処理後の吸水高さは, 柔軟剤濃度が0.11ml/lで最大値を示し, 剛軟度は減少した。柔軟剤と糊剤の濃度を増加した混合液で処理後の吸水高さは, 徐々に減少し, 剛軟度は増加した。柔軟剤濃度を増加, 糊剤濃度を減少した混合液で処理後の吸水高さは, 柔軟剤濃度が0.88ml/l, 糊剤濃度が2 ml/lのときに最小値を示した。吸水高さの減少が抑制され, 剛軟度の増加が少なかった処理方法と濃度は, 柔軟剤と糊剤の濃度を増加した混合液で処理する方法であり, 柔軟剤が0.11ml/l, 糊剤が4 ml/lまでの濃度であった。

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© 1997 日本衣服学会
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