日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O3A-01
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口頭発表3A:言語・コミュニケーション
ノスタルジア喚起CMが広告認知と消費行動に及ぼす効果
*楠見 孝杉森 絵里子松田 憲
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キーワード: 懐かしさ, 広告, 記憶
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抄録

本研究では,首都圏の15-65歳の一般男女737人に対して,社会調査を実施して,懐古傾向の個人差,懐かしさを喚起するテレビCMの構成要素(昔の日本の風景,繰り返し聞いた曲など)とそれによって喚起される感情(懐かしさ,安らぎ,親しみなど)や記憶(過去の想起など),商品の記憶・好感度・購買意欲などを測定した.その結果,第1に,懐かしさの喚起には,反復接触と時間経過が重要であった.具体的には,昔何度も聞いた曲のように,過去の反復接触と,それを長い間聞いていないという,空白時間が懐かしさを喚起していた.また,これらの懐かしさ喚起傾向は,男性は加齢により上昇するが,女性は30-40代をピークに減少した.第2に,共分散構造分析の結果,個人の懐古傾向が,テレビCMからの懐かしさ喚起を高め,それが過去想起,CMや商品の記憶を促進し,広告への好意的な印象を媒介として,購買意欲に結びつくことが明らかになった.

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© 2008 日本認知心理学会
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