日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: O1-4
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把持運動における視覚と運動の独立性
*藤田 貴大中山 健片山 正純
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キーワード: 視覚, 把持運動, 独立性
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抄録

錯視を用いた心理物理実験より,知覚と行動の独立性に関する多くの議論がなされている.しかし,これらの研究では多くの課題が指摘されている.そこで,本研究では,錯視を用いないで,日常的な把持運動に関する視覚と運動の独立性の存在について調べた.重心位置の異なる様々な対象物の把持位置を計測した.視覚課題として,把持位置を視覚的に推定する課題を行った.運動課題として,対象物をつまむ課題(持ち上げない)と把持して持ち上げる課題を行った.この結果,視覚課題における把持位置と持ち上げ課題における把持位置は異なり,日常的に行っている把持運動においても視覚と運動の独立性が存在することを明らかにした.さらに,興味深いことに,運動課題であるつまみ課題と持ち上げ課題のそれぞれの把持位置が異なった.これらの結果は把持運動における視覚と運動の統合メカニズムを研究する上で非常に重要な結果である.

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© 2009 日本認知心理学会
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