表記形態に対するソースモニタリングにおいて処理水準効果が得られるかどうかを,DRMリストを用いて検討した。大学生65名に,宮地・山(2002)の日本語DRMリストから選定された単語を,明朝体またはまる文字で視覚提示した。このとき,物理処理群は単語中の囲みのある文字数を,意味処理群は単語のイメージの明るさ評定を,それぞれ回答した。直後に,3択形式によるソースモニタリング判断を求めた。実験の結果,意味処理群のほうが物理処理群より成績が高い傾向が示された。よって,畑中・藤田(2004)と異なり,ソースモニタリングにおいても処理水準効果が生じることが示唆された。新項目に対しても意味処理群のほうが正しく未学習判断がされたが,クリティカル語ではこの差が消失し,乖離が見られた。一方,学習-テスト間で表記形態が一致していた場合にソースモニタリングが正しく行われる効果は,両群で同様に得られた。