日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: O5-03
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口頭5 《知覚・感性2》
刺激の色によるパワー操作が単純接触効果に及ぼす影響
松田 憲内田 岳人興梠 盛剛楠見 孝
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抄録

Gillebaart et al.(2012)は,赤色ないし青色のスクリーンを呈示するというPower操作を行うことで親近性選好あるいは新奇性選好を促し,後続刺激への好意度を操作できることを示した。本研究では刺激自体の色を操作することよって単純接触効果に与える影響を検討した。先行研究に基づいて,赤色の刺激には親近性選好,青色の刺激には新奇性選好が生じると予測した。28名の参加者には,赤や青,グレーの刺激を複数回呈示し,刺激への評定を求めた。実験の結果,すべての刺激に親近性選好が生じた。青色の刺激に新奇性選好が生じなかった理由として,青色によって新奇性選好を促された結果、刺激そのもののへ親近性も下がってしまい,それが呈示刺激の少ない刺激への好意度の上昇に結び付かなかった可能性が考えられた。一方で,事前に接触していない新奇刺激への好意度は青色の刺激が他の2色の刺激と比較して高いことが分かった。

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© 2017 日本認知心理学会
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