抄録
林・太田(2021)では、ノートテイキング方法の相違、すなわち、手書き、写メ、キーボード入力、眺めるだけによる学習効果の違いはオンラインでも対面でも同様に示され、正答得点はほぼ同じとなるが、誤答はキーボード入力条件でもっとも多いことを報告した。本研究では、林・太田(2021)で用いられた学習素材をすべてひらがなにしてオンライン状況下で学習させ、各ノートテイキング手法による学習効果にどのような相違が生じるか検討した。大学生155名分のデータを分析したところ、正答得点は写メ条件がもっとも低く、誤答得点は手書き条件がもっとも低いことが示された。ひらがなを漢字に変換したほうが理解しやすい本研究の条件下では、変換しながらノートをとりやすい手書きがもっとも優れたノートテイキングであると考えられ、写真をとる行為にリソースが割かれる写メは即時理解においてはあまり優れた方法ではない可能性が示された。