抄録
本実験では、日本語テキストの色分けが読者の読むパフォーマンスにどのように影響するかを調べた。40人の参加者が、毎回異なる色分けで呈示されるテキストを5回、声に出して読むように指示され、声は録音された。読みやすさは毎回読み終わるたびに読みやすさスケールで測定された。実験の結果、色分けは理解度に影響しないが、テキストが文節または単語で色分けられている場合は読む速度が速くなり、単語内で色の変化が発生すると遅くなることが示された。さらに、文節または単語による色分けの利点にもかかわらず、参加者はモノトーン文章を最も読みやすいものとして評価した。この実験の結果は、文節または単語による色分けで日本語文章の読みやすさを改善できる可能性があることを示唆する。