日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_A24
会議情報

ポスター(感情・動機・記憶)
学習前後で行われるメタ認知的モニタリングの共通点と相違点
-絶対的・相対的な正確さの指標に基づく検討-
*山根 嵩史
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本研究では,学習前後で行われるメタ認知的モニタリングに関して,記憶成績の予測の正確さ(accuracy)の観点から比較が行われた。大学生49名を対象として,新規な学習事態を模した対連合学習の実験が行われた。実験は学習前,学習,再学習,テストの4セッションで構成され,学習前と学習後およびテスト時に,それぞれ対応するメタ認知的モニタリングの指標(EOL,JOL,確信度判断)が測定された。メタ認知的モニタリングの評定値と記憶成績から,正確さの相対的指標(calibration)と絶対的指標(resolution)が計算された。
結果として,各モニタリングにおける正確さの指標は相互に強く相関しており(r = .89~.95),学習前後のモニタリング活動の共通性が示唆された。一方で,学習の進行に伴い相対的な正確さの指標が向上することが示され,学習や再学習から得られた手掛かりが成績の見積もりを正確にしていく過程が示唆された。
著者関連情報
© 2023 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top