日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P3-2
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エピソード記憶の再固定化におけるリマインダの種類
:空間的文脈と予測誤差
*長井 美友貴*奥村 晴*伊藤 友一
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抄録
再固定化とは,再活性化された記憶が不安定になった後再び安定するプロセスを指す。エピソード記憶の再固定化は空間的文脈や予測誤差によって生じるとされる。本研究では,エピソード記憶の再固定化が空間的文脈と予測誤差のどちらによって生じるか検討するため,Hupbach et al. (2007) の手続きを一部改変して実験を行った。1日目と2日目に物体リストの学習,3日目に1日目に学習した物体リストの再生テストを行った。実験1では実験室の違いによる空間的文脈,実験2ではテストの中断による予測誤差の有無を操作した。再生テストで2日目の物体リストが混ざって再生される侵入率を比較した。その結果,空間的文脈および予測誤差の操作による侵入率の違いはみられず,再固定化の生じるリマインダの種類を特定することはできなかった。予測誤差の操作が不十分であった可能性,および再生テスト時の被験者の判断基準が異なっていた可能性が考えられるため,手続きを修正して再検討する必要がある。
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