コンクリート工学
Online ISSN : 2186-2753
Print ISSN : 0387-1061
ISSN-L : 0387-1061
テクニカルレポート
劣化した鉄筋コンクリート構造物の補修工法に関する研究
星野 富夫松林 裕二戸田 勝哉魚本 健人
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 47 巻 6 号 p. 6_28-6_35

詳細
抄録

近年,劣化したコンクリート構造物の補修事例が増えるとともに補修後比較的早期に再劣化に至る事例が報告されている。このような再劣化の進行は,補修材料の性能だけではなく,補修時の構造物の損傷度,補修方法や施工の適切さなどに大きく左右されると考えられるが,その原因やメカニズムについてはほとんど解明されていないと言っても過言ではない。そこで,塩害で劣化したコンクリート構造物を想定し,断面修復工法および表面被覆工法を施した鉄筋コンクリート試験体を用いて,海洋および内陸環境下での暴露実験を実施し,鉄筋の腐食観察,コンクリート中の塩化物イオン量の測定,電気化学的測定などを行って,補修した鉄筋コンクリートの再劣化メカニズムを解明するための実験を行った。本報告は,これらの一連の実験を取りまとめたものであり,共同研究として実施した暴露5年までの結果と継続して実施している実験結果についても併せて報告する。

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本コンクリート工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top