再生コンクリートの研究開発は1970年代に始まったものの,その後の事業化はほとんど進まなかったことから,2006年から2007年にかけて,再生骨材の処理レベルに応じて,「再生骨材H」,「再生骨材Mを用いたコンクリート」および「再生骨材Lを用いたコンクリート」が,それぞれJIS化されるに至った。しかし,再生骨材Hは普通コンクリートの骨材として使用できることになったものの,二次廃棄物多量発生,環境保全やコスト面で普及するには至っていない。そこで二次廃棄物の発生量が少ない再生骨材Mを用いた構造用コンクリートのケーススタディとして,集合住宅の建替え工事における現場再生についてコストおよびCO2発生量,消費エネルギーなどの比較検討を行った。