2012 年 50 巻 6 号 p. 534-539
近年の震災,豪雨災害により,安全・安心な国土を造る上で山間部のダムが果たす役割が再評価されている。しかし,ダム建設は長期にわたるため,早期供用開始が継続的課題の一つである。筑後川水系赤石川に建設中の大山ダム(水資源機構)は,洪水調節,既得取水の安定化・河川環境の保全,新規利水を目的とし,平成19年にダム本体工事を着手,基礎掘削工,仮設備工を経て平成22年12月に堤体工コンクリート打設を完了した。本稿では,大山ダム堤体の高所作業軽減による安全性向上と工程短縮を目的にしたプレキャストコンクリート製品の採用事例を報告する。