本報告は,高炉スラグ細骨材を使用した高強度コンクリートの調合と力学特性に関する実験結果をまとめたものである。高炉スラグ細骨材を使用したコンクリートは,川砂コンクリートと同じワーカビリティーを得るために,普通強度レベルの場合は単位水量を増加させる必要があった。しかし,高強度レベルの場合は,高炉スラグ細骨材コンクリートも川砂の場合と大差がない。高炉スラグ細骨材を使用したコンクリートは,水セメント比を小さくすると川砂の場合と同様に強度が増大し,100N/mm2以上の圧縮強度が得られる。高炉スラグ細骨材コンクリートは,普通強度レベルでは材齢28日の圧縮強度は川砂コンクリートに比較して低く,長期材齢において川砂コンクリートより高くなる傾向を示すが,高強度レベルでは,長期材齢においても川砂コンクリートより高くなることはなかった。高炉スラグ細骨材コンクリートのヤング係数は,圧縮強度が同じ場合,川砂コンクリートより大きくなり,乾燥収縮は川砂を使用したコンクリートより若干小さくなる。