2013 年 51 巻 4 号 p. 311-318
日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説JASS 10 プレキャスト鉄筋コンクリート工事」が,2003年改定以来10年ぶりに改定された。今回は,①鉄筋コンクリート造高層建築物に対して設計基準強度が60 N/mm2を超えるプレキャスト鉄筋コンクリート部材(プレキャスト部材)のニーズが高まっていること,②関連各種規定の改定・日本工業規格の改正との整合を図ること,③国外の工場で製造されたプレキャスト部材が国内に輸送され国内の建設現場で使用されるなど,かつては稀であった例が最近では増加していること,といった現状を受けての全面的見直しである。本稿では,改定内容のうち主要な点を概説する。