2014 年 52 巻 7 号 p. 582-588
鉄筋コンクリート工事の生産性向上にプレキャスト工法の適用が有効であり,これまでに様々なプレキャスト構工法が考案されている。しかし,プレキャスト部材の製造に関しては決して生産性が高いとはいえないのが現状であり,筆者らはプレキャスト部材を1日2~3サイクル製造を可能とする3時間で脱型・吊上げが可能な超速硬性と経済性を兼ね備えた超速硬コンクリートを開発した。本稿では,超速硬コンクリートの特性と,これをスタジアムの段床部材に適用し,躯体工事の合理化を図った。プレキャスト部材の調合の検討,実製造および現場施工について紹介する。