持続可能な社会を構築するために,既存構造物の状態・保有性能を適切に評価し,補修・補強を加えながらその長寿命化を図っていくことは重要である。2014年11月に出版された「既存コンクリート構造物の性能評価指針」には,このような状況で利用できる既存コンクリート構造物の性能評価に対する一般的な要求事項,および性能評価の方法・手順が規定されている。本指針に示される性能評価には,概略性能評価に加えて2レベルの詳細性能評価が含まれる。また,用いられる具体的な方法として,書類調査や外観調査などに加えて,劣化・損傷の詳細調査,材料特性の将来予測,保有性能の詳細な数値計算による算定などの方法も示されている。