2017 年 55 巻 6 号 p. 502-509
橋梁やトンネルでは,コンクリート片の剥落による第三者被害を防ぐために叩き点検が実施されている。叩き点検は,高所作業車などで点検者がコンクリート面に近づいて,直接,ハンマーでコンクリート面を打撃し,その音を耳で聴き,欠陥の有無を判定する技術である。そのため,結果が客観的ではないこと,危険で苦渋作業になるといった課題があった。ここでは叩き点検を代替するための,人工知能AIを用いた探査の定量化技術と音響探査法を用いた探査の自動化技術について紹介する。