日本調理科学会誌
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大学および専門学校生における「切り方」の難易度
平島 円磯部 由香堀 光代
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2017 年 50 巻 3 号 p. 104-113

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抄録

 2010年から2013年の4月に「切り方」の知識と自信度について調べるため,1,149名の大学および専門学校新入生に対してアンケート調査を行った。対象者は属性によりグループ分けをした。学生の切り方に対する知識と自信度(難易度)により,20種類の切り方は3つのグループに分けられた。これらの切り方の難易度は,性別,高等学校での学科,調理頻度,調理の好き嫌い,得意料理の有無,大学での専攻により異なることがわかった。女子学生は男子学生よりも切り方に対する知識があり,自信度は高く,高等学校の専門科出身者は普通科出身者よりも知識があり,自信度は高かった。また,調理をすることが切り方の知識と自信度に影響した。さらに,調理を好きなことや得意料理を持つことも知識と自信度を左右した。しかし,大学や専門学校で食物,栄養,調理,家庭科を専攻する学生はそれ以外の専攻の学生よりも知識はあるが,技術が高いわけではなかった。したがって,調理の知識や技術を習得するためには調理を好きになり,関心を持つことが大切だが,大学や専門学校の調理実習の授業においても基礎的な包丁技術を学ぶ必要があると結論付けられた。

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© 2017 一般社団法人日本調理科学会
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