調理科学
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「あく」の中の無機成分の調理操作による溶出について(第2報)
ごぼう,れんこん,うどの場合
出雲 悦子大木 和香子山田 節子
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1981 年 14 巻 2 号 p. 118-122

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抄録
「あく」の成分のうち,Ca,Na,K,Mg,Feが,ゴボウ・レンコンを生のまま水浸することにより,どの位溶出するかをみるため,またウドは生食がもっとも美味とされ,通常水浸によるあく抜きをした後に食するので,Ca,Na,K,Mg,Fe,Cuの溶出状態を調べた.
ゴボウを30分,レンコンを60分水浸した場合の溶出率は,Feを除いて何れも約10%であった.ゴボウ・レンコンは生のままの水浸で無機成分の溶出は少なかった.
ウドは白色および緑色ウドをそれぞれ30分・60分水浸した結果,Caの溶出率は5%~10%で比較的溶出が少なく,Mgは10%,K,Fe,Cuは20%~25%の溶出であった.ウドの無機成分の含量は少ないので,栄養上の問題は少ないであろうし,溶出率も比較的僅かである.水浸することにより,見ためにもよく,歯ざわりがよくなる点がウドの水浸の主たるねらいである.しかし,K20%,Ca・Mg10%の溶出が,ウドの繊細な味に関与しているのか,今後追求したいと思っている.
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© 一般社団法人日本調理科学会
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