日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
正月の雑煮の食べ方に関する実態調査
畑江 敬子飯島 久美子小西 史子綾部 園子村上 知子香西 みどり
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 36 巻 3 号 p. 234-242

詳細
抄録

沖縄から北海道まで2,633家庭の雑煮の食べ方を調査し,次のような結果を得た.
(1)2002年正月,雑煮の喫食率は,92.2%であった.元旦の喫食率が82.0%と最も高く,2日以降は減少した.
(2)餅の形は東日本は角餅が多く,西日本は丸餅が多かった.しかし,山形に丸餅の飛地が,鹿児島,徳島に角餅の飛地があった.
(3)だしは天然素材が60.4%を占め最も多かった.
(4)雑煮の味付けは醤油が最も多かった.しかし,味囎には地域性がみられ,近畿を中心とする一帯に多かった.
(5)具材は多い順にニンジン,ダイコン,鶏肉などがあげられたが,具材は多様であり,各家庭の自由な発想が伺えた.しかし,地域独特の具材も残っていた.
(6)CHAIDによる解析から,全国の雑煮は鶏肉の有無で2分され,さらに餅の形で2分され,それらがさらに鰹削り節,干しシイタケ,ゴボウ,かまぼこの有無で2分されることがわかった.

著者関連情報
© 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top