都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第39回学術研究論文発表会
セッションID: 40
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建築物ファサードに用いられるガラスの透過性・反射性に着目した街並み景観上の視覚像に関する研究
- 都心業務地大阪船場地区を事例として -
*李 浩秀嘉名  光市
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抄録

本研究では大阪を代表する都心業務地である船場地区を対象に、建築物ファサードに用いられるガラスの利用実態を把握し、ガラスの他にない特性である透過性と反射性によって街並み景観に出現する視覚像について考察した。その結果、(1)建築物に用いられるガラスのファサード構成比は建物階数に相関があり、ガラスの種類は建物規模や道路幅員規模等に関係していることが明らかになった。(2)透過効果は首振り角度が小さい方が現れやすく、ガラスに近接する商品や広告が視覚像としてあらわれるケースが多く、反射効果では建築物や塔屋などガラスから距離を置いたものやガラスによる反射効果を考慮しない通常の街並み景観における自然視野内で視認しにくい空が視覚像として多い事がわかった。(3) 建築物間距離および建築物に設置されているガラスの角度と視点位置の関係をモデル化し、出現する反射効果の構成要素とその位置関係を確認したことで、透過・反射効果の活用によって船場地区のようなD/Hが小さく小規模な間口で複数の建築物による街並み景観においても、開放性や奥行き感を意図的に生み出すデザインの可能性を示した。

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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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