都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第41回学術研究論文発表会
セッションID: 148
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イングランドにおける土地利用計画への戦略的環境アセスメントの適用に関する研究
*松行 美帆子木下 瑞夫西浦 定継
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抄録

本研究では、イングランドのローカルレベルの土地利用計画(LDF)を対象として、戦略的環境アセスメント(SEA)が、計画の意志決定にどのように統合されているのか、すなわち、計画にどのような影響を与えているのかについて分析を行った。研究は、ヒリングドン自治体におけるLDFを事例対象とし、その中でもとくに「空港関連開発」に関する計画策定を対象とした。研究の結果、以下のことが明らかになった。(1)ヒリングドンでは、複数案を設定し、それを選択する際に、各案の持続可能性に関する問題点を軽減する方法(ミティゲーション)が特定できない場合は、その案を選択しなかった。このことより、SEAは計画が著しく持続可能性を欠くものにならないようにするセーフティネットの役割を担っていた。(2)開発の必要性を決定する段階では他の計画決定因子が影響を及ぼしていたが、開発の場所を決定する際にSEAが影響を及ぼしていた。開発の場所の決定はしばしば同意形成が困難になるが、SEAにより各案の持続可能性、ミティゲーション方法を明らかにすることにより、合意形成の一助になると考えられる。

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© 2006 公益社団法人 日本都市計画学会
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