都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第45回学術研究論文発表会
セッションID: 10
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基盤整備状況に着目した郊外居住系市街地の評価と課題に関する研究
金沢市における事例調査
*片岸 将広川上 光彦伏見 新埒 正浩
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抄録

本研究では、金沢市の郊外居住系市街地における事例調査をもとに、基盤整備状況の違いに着目し、区画整理地区と民間宅地開発主体の非区画整理地区について、市街地変容実態と居住者意識に関する分析・考察を行っている。区画整理施行後一定年数が経過した町丁目と、それに隣接する民間宅地開発を主体とした町丁目の組み合わせを一つの単位とする事例地区を3地区(計6町丁目)抽出し、人口変動と土地利用変容の分析を行うとともに、居住世帯調査を実施し、居住環境や今後の居住意向等に関する居住者評価を得た。事例調査ではあるが、郊外の古い区画整理地区では、人口減少や少子高齢化、低未利用地の増加等の活力低下が進んでいる一方、隣接する非区画整理地区では人口増加や活発な土地活用が行われている実態を明らかにした。他方、居住環境評価については区画整理地区の方が非区画整理地区よりも相対的に高く、計画的な基盤整備の効果が表れていることを示した。また、もし住み替えるとした場合、公共交通の便利な地域を志向する居住者が多いこと等を踏まえつつ、中長期的な郊外市街地の再編を計画的に誘導していくための視点について言及した。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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