日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
Online ISSN : 2435-7316
都心部に発生した趣味縁の拠点の活動と特徴
札幌の事例から
加藤 康子
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2020 年 31 巻 p. 57-58

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抄録

日本全国の地方都市が人口減少に伴い縮小へ向かう中、今後もランダムに増加していく空室を、誰がどのように活用・管理していくのかは喫緊の社会課題である。こうした遊休不動産の新たな活用手法として、本研究は2000年代後半以降の札幌都心部の事例に着目する。従来の産業再生や空間の公共化ではなく、札幌の事例では市民が私的に多彩な趣味を持ち寄って遊ぶ場が同時期に複数誕生した。高額な家賃を伴う都心の空間では従来は存在しなかった利用形態である。筆者はこうした拠点群を、趣味によるつながりから「趣味縁の拠点」と呼んでいる。これらの拠点は、①営利活動が主たる目的ではない、②活動主体が行政や企業ではない、③そこでの活動は一般の参加にも開かれている、などの共通する特徴が見られる。こうした拠点の参入の経緯や活動、エリアへの波及効果などを事例から報告する。

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© 2020 公益社団法人 日本都市計画学会 中部支部
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