日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
Online ISSN : 2435-7316
近代大垣の商工者と産業基盤経営
谷口 史織出村 嘉史
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2021 年 32 巻 p. 55-60

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抄録

本研究は、近代の大垣の各種産業インフラ,特に電力(揖斐川電力)と鉄道(養老線)の経営上の変遷を,両者統合的に整理してその段階を明らかにし,その段階毎の大垣商工者の産業発展に対する思考を確認することで,大垣人士によって認識されてきた産業発展の全体像を明らかした。大正初期に大垣の工業都市化を目指した商工者らにより産業基盤が計画,整備されたが,時代が変わるにつれ大垣はインフラの経営ではなく,利用者としての立場で産業発展を推進した.商工者はインフラ整備期から一貫して産業発展が中心の考えであったが,大正後期には都市計画法施行による近代都市への整備の方に視点を向けるようになった.大垣の商工者は時代の変化により,インフラ経営への立場を変え,産業振興の方針を適切に転換し,工業都市化への発展を実現した.

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© 2021 公益社団法人 日本都市計画学会 中部支部
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