2016 年 14 巻 p. 65-68
戦後において,焼け野原となった場所に不法占拠という形で闇市が発生した.いくつかの商店街はその時の雰囲気や建物を残している.ただ,近年は再開発も進み,そのような商店街は消滅しつつある.本研究は,JR天王寺駅の北口を出てすぐのところにある阪和商店街を研究対象とし,戦後からの変遷について研究したものである.阪和商店街は闇市を起源としており,昭和の雰囲気を現代にまで残している数少ない商店街の一つである.そのような商店街がなぜ大阪の第三のターミナル駅ともいわれる天王寺駅のすぐ近くに残っているのか.その疑問を商店街の成り立ちや平面配置の計画,また,都市計画の方面から考察している.