2016 年 14 巻 p. 121-124
災害救助法による避難所は原則的に公的施設を用い、それらは無償とされている。しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災では多くの民間施設を含めて避難所として利用され、今後予想される首都直下地震や南海トラフ大地震のような広域災害では帰宅困難者問題も懸念されており、避難者の収容には民間施設の利用も不可欠とされている。民間施設の利用を拡大するためには現状の費用の掛からない避難所という概念では対応ができない。民間施設の所有者にとっては、施設の提供は社会からその社会貢献としての認識が十分になされることが必要な条件であると考え、阪神・淡路大震災を例に神戸市内で利用された避難所のコスト算定を試みた。