本研究では視対象の多い都心部河川の船上景の変化や人々の注視を明らかにし、注視の動態を把握するために、船で移動中の被験者に装着したウェアラブルカメラによって撮影したVTRや船に固定したカメラによって撮影したVTRを用いて注視行動特性を分析し、以下のことを示した。(1)被験者は注視活発タイプと注視不活発タイプに分けられ、注視は注視対象の位置によって沿川注視と流軸注視に分けられた(2)沿川注視と流軸注視ともに、注視を行う距離と仰角、水平見込角にはそれぞれ単純相関が見られた (3)沿川注視と流軸注視という特性がある中でも、それらが混在する区間では流軸注視が短時間になるという特性から、沿川注視と流軸注視の連続的な関係が見られた