2018 年 16 巻 p. 65-68
近年、各地で路上での喫煙を禁止する取り組みが行われており、路上喫煙禁止地区を指定する自治体が増えている。しかしながら路上喫煙禁止地区内での路上喫煙者は依然として散見される。本研究では路上喫煙禁止地区内の屋外空間を対象に、喫煙者の発生・滞留状況を把握し、喫煙者が滞留する空間の特徴を明らかにすることを目的としている。神戸市三宮・元町地区を対象に行った観察調査から、26か所の喫煙者の滞留空間を確認し、その空間の特徴を分析した。その結果、路上喫煙を禁止する条例の効力が及ばない民有地に多くの喫煙者が滞留すること、裏通りにおいて形成された喫煙空間に喫煙者数が多いこと、また人目につかない空間、他者からの視線を遮ることができる自動販売機や電柱等の構造物がある空間を選好されている傾向が把握できた。