本研究は、古写真を用いた連続ワークショップを通して地域の未来を考えることにより、何が把握され共有されるのかを明らかにすることを目的とした。 その結果、第一に、古写真収集と現地調査を通して、古写真を起点に過去と現在を比較しながら考えることに適したトピックを、もの・こと、人工物・自然物を問わず抽出することができた。第二に、「変化を理解する段階」では、地域と自分自身の過去を振り返ることを通して、個別具体の経験情報が提供・共有された。また、現地に赴いた方の企画では、将来を眼差した気づきや疑問が示された。第三に、「将来を選択する段階」では、未来を生きる他者に働きかけることを通して、やや一般化された情報が提供・共有された。