2020 年 18 巻 p. 49-52
近年問題視されている、中高生のコミュニケーション能力の低下や地域社会における人間関係の希薄化は、彼らが日常的に過ごす場所や社会との関わり方に原因がある。本研究では、だんじり祭が盛んな岸和田市の高校生に焦点をあて調査を行った。岸和田市では地域コミュニティは縮小していながらも、だんじり祭を地域社会に参加するきっかけとするには十分であったため、高校生の居場所に対するニーズを基に居場所の検討を行い、地域とつながる場所を提供することで、さらに地域の活性化につなげる。それは、様々な人が訪れる場所で、地域社会への参加に対する抵抗を減らすことができる空間とすることが重要である。そのためには、公共施設全体の再構築が今後の課題となる。