2021 年 19 巻 p. 61-64
本稿では、京都市の市営住宅の縮小再編について立地の変容に着目して考察した。立地の変容に関しては、①戸 数にあまり変化が見られない区、②総住戸数の半数が減少する区、③総戸数が 3/4 となるが市内に 1 団地しか立地 しておらず、今後住戸数が増加する可能性のある区という 3 つの特徴に分類できる。これを踏まえ、京都市におけ る市営住宅の縮小再編によって、①郊外部と都心部で市営住宅の立地の二極化が起こること、②主に都心部では、 団地数の減少により、区内での住宅確保要配慮者の集住を促す可能性があることが明らかとなった。市営住宅の縮 小再編により、今後、更に住宅確保要配慮者の住宅の選択肢がより一層限定され、集住が加速し、住み分けが発生 する可能性がある。