2021 年 19 巻 p. 89-92
位置指定道路は、その多くがミニ開発に伴うものであるため、否定的な眼差しで見られることが多い。そこで本研究では京都市の歴史都心である下京区を対象に、位置指定道路の形態的特徴を類型化した上で、それに基づいた空間特性の把握と利用実態について明らかにするとともに、位置指定道路の再評価を試みることを目的とする。本研究から、①1990 年代以降の位置指定道路はその形態が単純化している、②複雑な形態の位置指定道路であふれ出しが生じやすい傾向にある、③位置指定道路ではあふれ出しより、表出が多く生じる、④近年の位置指定道路では道路空間への介入がなされにくい、⑤あふれ出し、表出は比較的狭い幅員で生じやすいことが明らかとなった。