2022 年 20 巻 p. 101-104
本稿は、スコットランドのグラスゴーにおいて実施された、市民による未利用地の暫定利用を支援するプログラムStalled Spacesに着目する。本稿は、Stalled Spacesの制度的枠組みの特徴を明らかにするとともに、そこでの活動、土地利用がいかに変容したかを整理する。調査の結果、実施されたプロジェクトは①短期・長期プロジェクトが同じ枠組みで実施されている②農的利用が約6割を占める③対象敷地の約6割が公有地であること、が明らかとなった。また実施された半数以上のプロジェクトは暫定利用の状態が継続しており、終了しした事例についても、荒廃した土地が改善した例や、新たなに移行するなど空地・荒廃地の改善に寄与する一面が見られた。