2022 年 20 巻 p. 105-108
本研究では、人々が地域に愛着を感じる理由に着目し、地域愛着を形成する要素と高める要素を調査した。また人々を自己観と地域観により分類し、地域愛着の理由や地域へのインパクト志向を調査した。その結果、地域愛着の形成には出身地であること、地域愛着を高めることには主観的利便性評価の高さが影響することを示した。また、協働型は愛着度が高く肯定的な愛着理由を多く挙げ、地域へのインパクトを志向する傾向にある一方、同程度の愛着を持つ享受型では地域へのインパクト志向性は確認されず、地域活動の動機として地域愛着を議論する際には、関係スタイルに分類して検討する必要があることを示唆した。